論文紹介

ERCP後膵炎予防における直腸非ステロイド性抗炎症薬および細胞外液輸液負荷併用の有効性と安全性の検討~RESOLUTION-PEP study~

DEN Open誌に掲載された服部愛司先生の研究論文「Propensity-score matched analysis to evaluate efficacy of endoscopic submucosal dissection for superficial esophageal cancer in gastrectomized patients」の日本語要旨です。論文本文は下記リンクより参照ください。

背景:内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)後膵炎の予防において、直腸非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)および細胞外液輸液負荷併用の有用性が報告されているが、高齢者を含めた、低用量直腸NSAIDsおよび細胞外液輸液負荷併用の有効性と安全性は明らかではない。
目的:ERCP後膵炎(PEP)予防における低用量直腸NSAIDsおよび細胞外液輸液負荷併用の有効性と安全性を検討した。
方法:三重県内12施設において、2020年10月から2021年8月にかけて乳頭処置を受けていない患者を対象とし、75歳以上の高齢者も対象とした。全例にERCP前にジクロフェナク(25-50mg)の直腸投与および乳酸リンゲル液を初期ボーラス5mL/kg、ERCP後に3mL/kg/hで8時間投与を行った。主要エンドポイントとしてPEP発症割合、副次エンドポイントとしてPEP重症度、高アミラーゼ血症、有害事象を検討した。
結果: 対象患者は231名で、平均年齢は68.8±13.7歳、81人(35.1%)が75歳以上であった。PEP発症は13例(5.6%,95%CI:3.0%~9.4%)であった。軽症膵炎は11例(4.8%)、重症膵炎は2例(0.9%)であった。高アミラーゼ血症は45例(19.5%)、NSAIDs/輸液負荷関連の有害事象は末梢性浮腫が1例(0.4%)のみであった。
結論:低用量直腸NSAIDsおよび細胞外液輸液負荷併用は、PEP予防に有用である可能性が示唆され、また高齢者においても安全に行うことができる予防法である。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/deo2.236

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