切除不能肝細胞癌における腸腰筋指数の予後的意義:レンバチニブ治療とアテゾリズマブ・ベバシズマブ併用療法の比較
Journal of Clinical Medicine 誌に掲載された重福隆太先生の研究論文「Prognostic Significance of Psoas Muscle Index in Unresectable Hepatocellular Carcinoma: Comparative Analysis of Lenvatinib and Atezolizumab Plus Bevacizumab」の日本語要旨です。論文本文は下記リンクより参照ください。
【背景と目的】低骨格筋量は、レンバチニブ(LEN)治療を受けている切除不能肝細胞癌(uHCC)患者において、予後予測因子となることが知られています。一方で、uHCCの第一選択治療として推奨されているアテゾリズマブ・ベバシズマブ(ATZ-BEV)併用療法において、低骨格筋量が予後に与える影響は明らかではありません。本研究の目的は、低骨格筋量が両治療を受けるuHCC患者の予後予測因子であるか否かを明らかにすることです。
【対象と方法】当科において、uHCCに対する一次薬物療法としてLEN治療を受けた41例とATZ-BEV治療を受けた56例(計 97例)を対象とし、治療前の腸腰筋指数(PMI)の低下の有無に基づいて2群に分けました。全生存期間(OS)をグループ間で比較しました。さらに、薬物療法中のPMIの推移を、治療前、初回評価時、および治療終了時に調査しました。
【結果】両群において、ともに約7割の患者が治療前に低PMIを有していました。全患者に対する多変量解析では、低PMI(ハザード比 3.25, p = 0.0004)がOSの予後予測因子であることが示されました。またLEN群と比べATZ-BEV群では、PMIの減少も軽度でした。その結果として、進行したuHCC(BCLC分類stage C)群で、低PMIを有する場合には、ATZ-BEV療法はLEN療法よりも良好なOSが得られました(p = 0.046)。 【結論】低PMIは、LEN療法だけでなくATZ-BEV療法においても、uHCC患者の薬物療法中の重要な予後予測因子でありました。さらに、低PMIを有する進行したuHCC患者では、ATZ-BEV療法がLEN治療よりも予後を延長する可能性が示唆されました。
