放射線科の魅力

医療制度が大きく変わりつつある現在、各分野の専門医がエビデンスに基づいて適切な診断・治療方針を協議し、医療を行ってゆくことがますます重要になっています。

CTやMRI、PETなどの診断法は質的にも量的にも両面でますます発展しており、画像診断の専門家である放射線診断医は”Doctor’s doctor”として現在の医療に不可欠な存在になっています。
また、IVR医や悪性腫瘍治療の専門家である放射線治療医の役割と需要も急速に増大しています。

放射線科の主な専門分野

【画像診断】
最新機器による質の高い検査に取組んでいます

当科では、最新の撮影機器を用いて、全身の様々な疾患を対象に画像診断を行っています。CT検査では、2管球CTや320列CT、dual energy CTといった最新装置を整備し、逐次近似法や人工知能による先進的な画像再構成を導入し、高精細なCT画像を低被ばくで撮影しています。MRI検査では、3台の高磁場3テスラ装置を含む計5台のMRI装置が稼働し、最新の撮影法を取り入れて、中枢神経や腹部骨盤領域、骨軟部領域などを中心に詳細な画像診断を行っています。核医学検査では、SPECT/CT一体型装置やPET/CT一体型装置を有し、質の高い検査を提供しています。
三重大学放射線科は、心臓MRIと心臓CTによる診断領域において先進的な診療と研究を行っており、国内だけでなくアジアにおける指導的役割を果たしています。また3テスラMRI装置や拡散強調画像などを用いて、様々な中枢神経疾患に対する詳細な診断と研究を精力的に行っています。CT、MRI、核医学検査の全検査の読影を、放射線診断専門医が行い、質の高い画像診断を提供しています。地域の病院からの紹介による外来検査も行っています。

【IVR】
がんや血管病変に対する低侵襲治療

IVRは血管系と非血管系に分類されますが、いずれの領域に関しても最先端の診療を行っています。血管系IVRでは大動脈ステントグラフトの分野で高い治療成績を挙げています。がんに対する非血管系IVRでは、肝細胞癌や肺癌、腎癌、骨腫瘍などの様々な腫瘍に対するラジオ波凝固療法(RFA)や凍結療法を行っており、世界をリードする存在として注目されており、県外からも多数の患者様が受診されています。またCTを用いた呼吸器関連のIVR(肺癌に対する経皮的生検術など)を行っています。他の診療科と緊密に連携しながら、外来診療および入院診療を行っています。

【放射線治療】
切らずに治す体にやさしい癌治療

放射線治療の大きな特徴は、臓器の形態や機能を温存しつつ癌を治癒させることです。喉頭癌をはじめとする頭頸部癌は、この特徴を最も生かせる対象疾患です。また、乳癌に対する乳房温存療法もすでに広く認知されています。近年では、治療技術の著しい発展により、頭頚部癌や前立腺癌に対するIMRT(強度変調放射線治療)、肺癌に対する定位放射線治療などの高精度放射線治療が行われており、当科でも積極的に取り組んでいます。また、小線源治療としてRALS(遠隔操作で小線源を患部に誘導する装置)を用いた子宮頚癌の治療や、低線量率のI-125(放射性ヨード)線源を用いた前立腺癌の治療も行っています。