会長挨拶
中村 真潮(昭和63年卒)
ふるさとの山は ありがたきかな
このたび、令和6年4月11日の理事会にてご推挙いただき、第8代三医会会長を拝命いたしました中村真潮です。長い歴史と伝統ある三重大学医学部の同窓会会長に就くことなり、たいへん光栄に思いますと同時に、その重責に身の引き締まる思いです。浅学非才ではございますが、その役割を全うすべく精一杯努力する所存です。会員の先生方のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
前会長である井村正史先生は同窓会組織をさらに盤石なものにし、コロナ禍の中でも三医会の活動を揺るぎなく継続されて来られました。井村先生のご功績に深く敬意を表し感謝申し上げますとともに、その精神を引き継ぎながら、新たな時代の課題にも積極的に取り組んで参ります。
私たちの母校、三重大学医学部は1943年に三重県立医学専門学校として開校し、以来、多くの同窓生が卒業して国内外の各分野で活躍しています。諸先輩が営々と築き上げた伝統と実績を継承し、さらなる高みを目指すことが私たちに課せられた使命です。今年、創立80周年を迎えるにあたり、三医会はさらに会員相互の親睦と融和を深め、医学部の発展に寄与する活動を強化します。特に学生支援や若手研究者への助成は重要なテーマの一つであり、三医会賞をはじめとした研究助成授賞式等を通じて優れた研究や活動を奨励していきます。
三医会会員総数は現役学生を含めて7,000名を超え、79学年から選出される学年理事と特任理事を中心に運営される大きな組織です。その目的は、単に旧交を深めることだけではなく、医学部の発展を後押しし、若手医師や医学生の支援、地域医療への貢献を図ることにもあります。三医会が先進的な医学情報の交換の場となり、全世代の医師にとって価値あるものとなるよう努力して参ります。さらに、関東、東海、関西支部との連携をさらに強化し、全国の会員との結束を固めます。このために情報共有のIT化を進め、より多くの同窓生が参加しやすいプラットフォームを提供することで、交流と協力の場を広げていきたいと考えています。
同窓会を考えるときに、ひとつ思い出す歌があります。
『 ふるさとの 山にむかいて 言うことなし ふるさとの山は ありがたきかな 』
これは石川啄木が故郷を思って詠んだ有名な歌です。ふるさとというものは、ただあるだけでいいものだなあ、ふるさとがあるというのはありがたいなあ、そのような意味が込められています。同窓会のあり方や意義がいろいろと議論されている昨今ですが、絶やしてはならないものが必ずあります。三重大学医学部そして三医会は先生方にとっての心の故郷であり、そして医学医療の原点です。私は執行部の先生方とともに津の江戸橋から三医会の旗を大きく振って、これからも先生方にエールを送り続けて参ります。
最後に、三医会ならびに三重大学医学部、そして学生諸君の活動に同窓会員の皆様の変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、先生方ならびにご家族のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。