黒潮医療人養成プロジェクト(第1回合同シンポジウム)に参加しました(3月1日)

2023.03.13

・3月1日(水)、高知大学で開催されました黒潮医療人材養成プロジェクト(第1回合同シンポジウム)に、附属病院災害対策推進・教育センターの岸和田昌之センター長、岩本豊一災害対策コーディネーター、同総合診療部の山本憲彦教授と医学部3年生の池山陽登さん、宮﨑洸匠さん、同学部1年生の宮島真悟さん、宮園翔伍さん、そして医学・病院管理部学務課の渡辺隆太郎職員の総勢8名が、三重大学を代表して参加して参りました。

・午前中は高知大学のご厚意により、同大学医学部阿波谷教授、西山教授の皆様方が行政職員も同行しての高知市内の防災関連施設の見学研修を、和歌山県立医科大学及び三重大学の合同シンポジウム参加者に対して企画して下さいました。

一行は、高知市内中央部の防災施設(総合あんしんセンター:保健所、医師会、歯科医師会、薬剤師会が集約されたセンター)、近傍の弥右衛門公園(大規模防災公園)、及び市内中心部を一望できる五台山を順次見学し、高知平野の防災上の特性等について学びました。

特に、総合あんしんセンターでは、高知市の災害対策本部の見学を通じて、病院本部との機能部分の比較をしながら確認ができました。また高知市防災政策課の方からは同市の南海トラフ地震対策行動計画や避難した後の市民の救助救出の取り組みや、高知市の津波SOSアプリのリレー特性などの紹介は、大変印象的でありました。

 弥右衛門(防災)公園では、有事に移行した場合の防災ヘリポート、かまどベンチ、災害時対応トイレ、給水施設など、非常時への備えの行政努力を現地で学ばせて頂きました。

 高知市内を一望できる五台山では、紀貫之の土佐日記からの歴史的な地域特性を現地と照らし合わせながら理解を深めることができ、津市江戸橋の地形特性とも重ね合わせながら油断しない災害対応のあり方を再認識できました。

・午後からの合同シンポジウムでは、高知県、和歌山県、三重県はともに太平洋に面し、南海トラフ地震での津波や浸水による深刻な被害が予想されるという地理的共通点を持っており、それぞれの立場からの意見交換等を通じて各県の防災医療について学びを深める良い機会となりました。

冒頭、特別講演として管野武先生(東北大学病院 総合地域医療教育支援部)による東日本大震災の体験、その後の取り組み、そして私達ができること、すべきことの多くのメッセージを含んだお話を頂きました。その後、高知大学の取り組みとして、医学科生の担架の搬送訓練や動画作成、避難タワーでの1日体験などの発表があり、三重大学としての今後の取り組みに対する良いヒントとなりました。

「黒潮医療人材養成プロジェクトの推進に向けて」としてパネルディスカッションでは、三重大学からは山本教授が参加し、三重大学の今後の豊富などを和気あいあいとした雰囲気の中で発言され、参加した学生全員からも積極的な質問や意見感想寄せられるなど大変活発な場となりました。

特に、医学部学生の池山さんからは最後に「今回の講演を通して、平時の地域医療における地域のつながりがあって初めて、災害医療で求められる仲間同士の結束、弱者へのサポート、健康への意識を培うことができることを学んだ。また、それを達成するためには包括的、俯瞰的な視点で物事を見る力を養い、医療だけでなく行政とも連携していくことが医療者に求められるのだと学ぶことができた。」との意見を述べて高知大学での本シンポジウムは幕を閉じ、本企画は成功裡に終わりました。

・3月2日(木)、帰路の就くまでの時間を有効活用し、高知市須崎公園津波避難タワーに立ち寄り、施設内部の階段やスロープ、屋上からの見え方など津波避難タワーを見学しました。また、近傍の桂浜にも足を運び、幕末の志士である坂本竜馬の像の前では日本の夜明け明治維新に思いを馳せました。

※黒潮医療人養成プロジェクトの事業ホームページ 黒潮医療人養成プロジェクト (kuroshio-pjt.com)