大学院受験を検討中の方へ
小児看護学分野では、「こども、家族主体のケア(Child & Family-Centered Care)」を理念とし、健康問題や障害を経験しているこどもとその家族が、どこにいても、どんなときも、かけがえのない“ひとりのひと”として、成長発達し、「こどもらしい」「家族らしい」生活、有意義な人生を送ることを支える看護について、探究したいという強い気持ちをもつ方を歓迎します。
臨床の中で「これでよいのか」「もっとよい看護は何か」など、臨床疑問を持っておられる方、ぜひ、大学院で小児看護について深く学ぶことを視野に入れ、ご自身のキャリアを考えてはいかがでしょうか。
大学院への進学について、また、私たち三重大学大学院小児看護学分野の受験を検討している方、ご一報いただけますと幸いです。
博士前期課程
修士論文(研究)コース
修士論文(研究)コースでは、こども、家族主体のケア【Child & Family-Centered Care】を基盤に、以下の能力を身につけることを目指しています。
こどもの成長・発達、人生という長期的な視点をもって展開する看護実践力
こどもを取り巻く倫理的課題の調整とリーダーシップ
こどもを取り巻く諸問題に関する網羅的な情報収集能力と研究結果の統合力、
臨床課題を解決するために自ら研究できる力と発信力
臨床課題を解決するために自ら研究できる力と発信力
コースの概要
現代の社会状況、成長発達理論、家族理論、母子相互作用理論等をふまえて、健康問題や障害をもつこどもとその家族を深くとらえる力を養い、こどもと家族の健やかな成長発達のための小児看護の役割を探求することを目指す方を対象とした2年課程のコースです。
1年次は、事例分析やデスカッションを通じて小児看護に関連する諸理論を深く学修します。また、がん看護学分野をはじめとする他分野の院生とともに、スコーピングレビューやシステマティックレビューなどを行い、エビデンスの統合と成果を発信する力を身につけます。1年次から、研究計画書作成に取り組み、2年次後期の修士論文(学位論文)提出に向けて研究を行い、その成果の学会および論文発表を目指します。
高度実践看護師(専門看護師:CNSコース)
三重大学大学院は、2023年2月に小児看護専門看護師教育課程の認定を受けました。2024年度入学の学生から、小児看護CNSの育成が始まります。
高度実践看護師(専門看護師:CNSコース)では、こども、家族主体のケア【Child & Family-Centered Care】を基盤に、以下の能力を身につけることを目指しています。
こどもの成長・発達、人生という長期的な視点をもって展開する看護実践力と調整力
こどもを取り巻く倫理的課題の調整とリーダーシップ
こどもを取り巻く諸問題に関する情報収集と分析力、臨床課題を解決するための研究力と発信力
コースの概要
あらゆる健康レベル、あらゆる生活の場所にいるこどもと家族が、こどもの健康レベルに応じて、どこにいても、どんなときも、こどもらしく、家族らしい生活を送ることを支えるための小児看護に関する高度な知識と技術、そして態度を有し、看護実践できる小児看護CNSを目指す方を対象とした2年課程のコースです。
1年次の前期は、共通科目と専門科目に関する座学および演習、1年次の後期からは、演習や実習が始まります。実習は、三重大学医学部附属病院だけでなく、遠方とはなりますが複数の小児看護CNSが様々な場で活躍している千葉県こども病院で行います。2年次は、実習が中心となり、三重大学医学部附属病院や三重県内のクリニックや訪問看護ステーション、放課後等デイサービス等に出向き、同時に課題研究(学位論文)に取り組みます。
博士後期課程
こどもと家族、そしてこどもを取り巻く社会に関する課題について、高度な研究能力および、看護のみならず哲学的な思考を含めた豊かな学識を備え、自立した研究者の育成を目指します。
修士修了後やCNSとしての実践の中で感じた課題について、より深くとらえ、解決したいと考えている方、新しいケア方法の開発を考えている方、「小児看護とは何か」という根底的な問いを抱いている方を対象とした3年課程のコースです。
社会人学生を検討している方へ
修士論文コース、CNSコース、博士後期課程のいずれも、社会人学生を受け入れます。ただし、大学院での時間は、学修に集中できる貴重な機会ですので、できる限り、学習時間が確保できるような形での進学をお勧めします。特に、全てのコースで、論文執筆の時期はまとまった時間の確保がとても大切になります。
CNSコースについて、社会人での入学を検討されている方
本コースでは、できる限り、2年間学修に専念できる環境をお勧めしています。ですが、職場の事情や経済的なことも大きな課題となりますので、お仕事をしながら大学院に進学することを検討されている方もいらっしゃると思います。
社会人として、勤務しながらの入学も可能ですが、実習期間(1〜4週間連続の実習が4種類)や学位論文作成時期となる2年次11〜1月は、学修やレポート作成、論文執筆のための時間確保が求められます。社会人学生の場合、2年間でコースを修了することはできないと思いますので、長期履修制度を検討されることをお勧めします。何より、家庭や職場の理解がとても大切だと思います。履修スケジュールなどについて、詳しく説明をさせていただくこともできますので、まずは、事前にご相談ください。