三重大学医学部附属病院
救命救急・総合集中治療センター

卒前教育プログラム

  • 対象期間
  • 医学科
    在籍中
  • 1年目
  • 2年目
  • 3年目
  • 4年目
  • 5年目
  • 6年目
    以降

他診療科でも、「救急疾患」として多くの項目を学習しますが、
救急・集中治療領域の理解のためには、それだけでは十分とはいえません。

  • 緊急度を意識した、
    救急患者さんへのアプローチ
  • 病院前救護との連携
    (メディカルコントロール・ドクターヘリなど
  • 外傷・中毒・環境異常・災害医療・呼吸不全・ショック・心肺停止など、
    救急・集中治療領域独自の分野

などに関する理解を深める必要があります。
当センターでは、以下のような講義・実習などを通して、
医学科学生の皆さんに救急・集中治療領域に触れて頂く機会を提供しています。

また、研究室研修・新医学専攻コースを通して、
当センターでの研究に触れる機会もありますので、興味があればご連絡ください。

Lecture

講義医学科4年次

医学科4 年次の9~10月に行われる、TBL-Tutorial M5U9「専門診療科①」を、
皮膚科・眼科および耳鼻咽喉・頭頸部外科と共に担当しています。
年度によってテーマに若干の違いはありますが、例年下記のテーマを中心に扱っています。

  • 救急医療概論、救急初期対応
  • 頭部外傷、胸腹部外傷、四肢外傷
  • 救急症候学、鑑別疾患の挙げ方
  • 暑熱、寒冷
  • 集中治療の考え方
  • 中毒
  • BLS、ACLS
  • 災害、DMAT
  • sepsis and septic shock

Clinical clerkship

臨床実習医学科4~6年次

4~5年次の臨床実習(クリニカル・クラークシップ)では、2週間の実習期間の中で、
当センターに搬入される患者さんの対応を中心に、救急疾患についての基本的な知識や初期対応について学び、
さらに他の専門診療科の対応する疾患の初期対応を通じて、
医療の基本である救急医療に関する基本的な知識や技術、および医師としての姿勢を学ぶことを目標としています。
また、救急医療・災害医療・多発外傷などの重症症例の全身管理・集中治療管理を通じて、
医療全体における救急医の果たす役割を認識し、
救急医療・災害医療・集中治療・外傷初期診療などについてより深く理解できるようになることも目標としています。

1週目 2週目
当センター内実習(※1) 消防見学実習(※3)
当センター内実習(※1)
当センター内実習(※1) 当センター内実習(※1)
他病院見学実習(※2) 当センター内実習(※1)
当センター内実習(※1)
  • 外来・入院患者さんの診療を見学・参加します。また、当センタースタッフによる講義・ハンズオンの機会を適宜提供しています。
  • 三重県内の総合病院(市立四日市病院・三重県立総合医療センター・松阪中央総合病院・伊勢赤十字病院)の救急外来を見学する実習です。
  • 津市内の消防署を見学し、場合によっては出動する救急車に同乗する実習です。

6年次の臨床実習(エレクティブ)で当センターを選択した学生には、
将来的な進路や医学科6年次に控える重要なイベント(マッチング・卒業試験・医師国家試験など)に
配慮した実習プログラムを提供しています。

Lab training

研究室研修医学科3~4年次自由選択

皆さんはドラマの救急医療現場で医師や看護師さんがたくさんの患者さんをトリアージして治療にあたる姿を見たことがあると思います。救急医ならずともあこがれますよね。どうしたらドラマに出てくるような医師や看護師さんになれるのでしょうか?
その答えが、高度のストレスにさらされても希望を忘れず折れない心(=レジリエンス)にあると我々は考えています。

患者の生命が危機に瀕している救急医療現場において、救急医療者には想像できないような精神的負担がのしかかっています。
さらに三重県では救急医療に従事する医師・看護師の数が不足していて医療従事者への身体的・精神的負担は計り知れません。我々はこのような現状を打破するには、高度のストレスにさらされても希望を忘れず折れない心(=レジリエンス)を、医療者のチームプレーでシステマチックに育む必要があると考えました。

そして、現在勤務する少数のスタッフでより多くの救急患者に対応するレジリエントなコミュニケーションシステムを構築するための試みを2016年から開始しました(研究会第一回の講師は蝦名 玲子先生でした)。我々の研究室研修では、外部から多くの講師をお招きして、いままで多くの医学生の皆さんにレジリエンスについて考えてもらっています。

「レジリエンスが医療者間対面コミュニケーションを活性化し、組織の活性度(=幸福度)を上昇させ、患者の死亡率を低下させる」そのように考えています。

研究室研修

「高度なストレスにさらされても
希望を忘れず折れない心=レジリエンス」
これが当センター研究室研修における1番大きなテーマです。

今までの研究成果について以下に概説します。
ぜひ興味のある医学生は参加してください。

  • 4救急医療における医師、看護師コミュニケーション量の変化を、ウェアラブルセンサー(日立製作所Ⓡ)を用いて定量化し、重症患者のケアを行うICU医療従事者のコミュニケーション量が担当する患者重症度(APACHE II score, SOFA score)と相関することを証明しました。(Ito. Am J Respir Crit Care Med. 2019. 伊藤. 日本臨救急医学会 2016)
  • 救急医療従事者の勤務中の幸福度を、ハピネスウェアラブルセンサー(日立製作所Ⓡ)を用いて測定し、不規則な勤務形態(準夜勤務→日勤)が医療従事者の幸福度に与える影響を東京工業大学の研究チームと解析しています。(永井. 信学技報 2017)
  • ICUにおけるコミュニケーションの形態をSocial network analysis(SNA)を用いて解析を行いました。工学部の先生方との医工連携研究を当センターでは進めています。(Kawamoto, Front Med (Lausanne). 2020, Kawamoto, J Med Internet Res. 2020)
研究成果の一例

随時、
病院見学を受け付けています。
救命救急医としての勤務に
ご興味のある方、お待ちしております。

見学の日時については、ご要望に応じ検討させていただきます。
ご希望日の2週間前までに下記よりお問い合わせください。
※診療状況によって、日程変更をお願いする場合がございます。予めご了承ください。

教育・研修制度

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