日本は今や人口の4分の1以上が65歳以上の高齢者となっています。一方、こどもの人口は8分の1にすぎません。しかし、未来を支えるのはこの少ない割合のこどもたちです。超少子化時代に入り、子供の数は減少する一方ですが、その子供たちから将来の日本を背負う人材を育てる必要があります。それらをサポートできる小児科医は未来を創る科と言えます。
若手小児科医を育成する上では小児科は多くの分野に対応しなくてはならない「こどもを診る総合診療科」です。感染症、神経疾患、血液・悪性疾患、循環器疾患、内分泌代謝疾患、その他慢性疾患などたくさんの分野の疾患を経験する必要があります。身体の一部分だけを診るのではなく、こどもを一人のヒトとして捉え、精神的な面を含む全身を診ることのできる非常にやりがいのある診療科と考えられます。年齢も幅が広く、新生児から成人に至るまでの間をカバーする必要があり、病気のこどもだけでなく、健康なこどもの発達や予防医学であるワクチン接種まで様々な形でサポートしていくことが可能です。小児科医を実践して行く上では救急医療、地域医療、小児保健、医療倫理、臨床研究も合わせて経験することが必要で、それらのすべてを経験することで優秀で立派な小児科医が育成されます。さらに小児科医は小児保健を包括する小児医療の水準向上に貢献し、延いては小児の健康増進および福祉の充実に繋がります。
三重大学小児科では常に子供たち中心の医療ができる優秀な小児科医育成のために、効率的で幅広くかつ充実した人材育成システムを構築しました。「未来を創るこどもたち」のための「未来を創る小児科医育成」を目指しています。教室員一同、三重県の小児医療を明るく発展させていきたいと考えておりますので、何卒よろしくお願い致します。