三重大学医学部附属病院
救命救急・総合集中治療センター

メッセージMessage

外科医×救急医
~命の灯を消さないために行う救命手術~

助教・統括医長・
災害医療センター副センター長
新貝 達SHINKAI Toru
外傷外科、救急外科、救急、集中治療、災害医療

防ぎえた外傷死(Preventable Trauma Death; PTD)とは、適切な治療が提供できていれば救命可能であったとされる死のことです。外傷死の約35%にPTDが存在していると報告されています。

外傷は多くの場合、つい先程まで健康で元気であった人が突然、命の分岐点に立たされる疾患です。受傷しなければ、普通に明日を迎えていたはずなのに、やりたいことができていたはずなのに。患者さんにとっても突然のことであり、治療にあたる我々にとっても突然の緊急事態です。

しかしながら、「目の前の患者さんをなんとか救いたい」、「元の生活に戻してあげたい」という想いを抱きながら、我々は迅速な対応、冷静な判断、落ち着いた手技を心がけて治療に当たります。重症外傷に対する治療及び手術は高い専門性が要求され、また多くの職種との協働が重要です。なかでも外傷外科医は重症外傷患者さんを救命するため、戦略を考え、戦術を駆使して手術を行います。

外傷手術は一つとして同じものがなく、損傷の部位や程度は毎回様々です。患者さんのバイタルサインが不安定な場合はCT検査なども行わず、手術を行います。そのような場合、画像検査による事前情報がないため損傷部位を検索しながら対応を考え、すぐに手技を行っていく必要があります。救命のためのダメージコントロール手術(出血・感染コントロールを重視した緊急手術)の場合は、通常60~90分以内に手術を終えなければいけないため、素早い決断と高い技術が必要となります。

我が国では、外傷外科医は圧倒的に不足しており、都市部より地方においてはより顕著です。三重県においても例外ではなく、外傷外科医の養成が急務です。

私は元々、肝胆膵・移植外科に所属する外科医でしたが、外傷外科医の少なさを実感し、外傷患者さんを一人でも多く救いたいと考え、2019年より救命救急センターに所属し外傷外科を専門とするようになりました。今では、外科専門医と共に救急科専門医の資格も有し、私のような外科系救急医が外傷患者さんの初期診療から関わることで、一分一秒でも早く、救命のための手術を開始することができます。また、大学病院の強みでもある、各専門診療科との連携で、迅速で質の高い医療を提供できる環境にあります。

防ぎえた外傷死を無くしたい。我々はより多くの外傷患者さんに適切な治療を提供するために仲間を必要としています。外傷外科医あるいは外科系救急医としての働き方に興味のある方、いくらでも相談に乗ります。是非、一緒に仕事をしましょう。

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