論文紹介

女性患者における大腸内視鏡検査時の苦痛と挿入時間延長に関連するリスク因子

Journal of the Anus, Rectum and Colon誌に収載された濱田康彦先生の研究論文「Risk factors associated with painful colonoscopy and prolonged cecal intubation time in female patients」の日本語要旨です。論文本文は下記リンクより参照ください。

目的:女性患者において、大腸内視鏡検査時の強い痛みと挿入時間延長に関連する因子を明らかにするため研究を行った。

方法:ロジスティック回帰分析および線形回帰分析により、内視鏡検査時の強い痛みと挿入時間延長に関連すると考えられた因子について解析した。

結果:大腸内視鏡検査を受けた20歳以上の女性患者219人のデータで検討した。ROC解析により、visual analogue scale 50 mm以上を強い痛みを伴う大腸内視鏡検査と定義した。関連する因子について多変量解析を行った結果、S状結腸憩室症(オッズ比2.496、95%信頼区間1.013–5.646、p=0.028)が、強い痛みを伴う大腸内視鏡検査の有意なリスク因子であった。また挿入時間延長においては、不十分な腸管前処置(b係数 3.583、95%信頼区間0.578–6.588、p=0.020)が有意なリスク因子であった。 結論:女性患者の大腸内視鏡検査においては、S状結腸憩室により強い痛みを伴い、不十分な腸管前処置により挿入時間が延長する可能性がある。

https://doi.org/10.23922/jarc.2022-079

関連記事

TOP