Clinical Journal of Gastroenterology誌に掲載された黒田真里奈先生（三重県立一志病院所属）の論文「Dedifferentiated liposarcoma in the abdominal cavity: a case report」の日本語要旨です。論文本文は下記リンクより参照ください。
腸間膜に癒着した脂肪肉腫は極めて稀であり、診断が困難である。我々は、横行結腸腸間膜由来の脱分化型脂肪肉腫の一例を経験した。
症例は70歳女性で、右下腹部の腫瘤を主訴に来院した。外科的切除後、腸間膜に由来する横行結腸の脱分化型脂肪肉腫と診断し、化学療法を施行した。
脱分化型脂肪肉腫を画像所見のみから原発部位まで含めて診断することは困難であり、外科的切除による病理診断が診断の一助となる。本症例ではがん遺伝子パネル検査を実施したが、合致する適応薬を認めなかった。化学療法を継続したが、術後18ヶ月に永眠された。脱分化型脂肪肉腫は、化学療法が不応なことが多く、予後不良と言われているが、新規治療薬の開発が期待される疾患である。
https://link.springer.com/article/10.1007/s12328-022-01703-8