RBA(Risk-Based Approach)
アカデミアにおける生命・医学系指針レベルの研究(治験・特定臨床研究以外の研究)のRisk Based Approach
2019年の「医薬品の臨床試験の実施基準に関する省令」のガイダンスの改定では、研究のすべての過程における品質マネジメントシステムの履行が推奨されています。
また、研究の品質保証・品質管理のために使用する方法は、研究者固有のリスクや収集する情報の重要性に対して釣り合いのとれたものすべきであることが明確化され、研究のQuality Risk Management※におけるRisk Based Approach※の導入が不可欠であるとされています。
特定臨床研究には該当しないその他の臨床研究においても、研究デザインの時点で質に関する重要な要因を特定することでQuality by Design※を実現し、体系的な問題を防ぎ、研究対象者保護とデータの信頼性をより高めることが重要です。
※ QRMとは
医薬品の製品ライフサイクルにわたる品質に対するリスクの評価、コントロール、コミュニケーション、レビューに対する系統だったプロセス※ RBAとは
リスクマネジメントの手法を使ってリスク(危険性)を特定し、リスクの大きさに合わせた対応をとること※ QbDとは
何が結果に影響を及ぼすデータかを明らかにしてプロセスを作り込み、研究対象者の安全性とデータの質の確保に貢献する
2021年度には、AMED事業で、臨床研究中核病院が中心となり「RBAに関する拠点会議」が設置され、そのワーキングで臨床研究の種別に応じたRBA手法が検討されてきました。2021年度の成果物として、臨床研究の種別に応じたRBAに関して、以下の資料が公開されています。
参考資料
三重大学では、2022年度から金沢大学と共同で、AMED研究でRisk Based Approachの実装に向けた整備、方策等の研究開発を実施しています。
生命・医学系指針を遵守する介入研究を対象とする
Risk-Based Approach(RBA)の実装に向けた整備、方策等の研究開発
- 課題
モニタリングの形骸化による
指針介入研究インテグリティの危機倫理指針遵守
社会的ニーズ
ICH-E6(R2)に合致
- 目的1
RBA実装による
前年度成果物検証
- ●RBA実装
金沢大学1研究以上/三重大学1研究以上 - ●RBA実装の効率化促進
- ① RBA専門家による助言
- ② 生物統計家による助言
- ③ 介入種類に応じた多面的な評価
新規性
- 目的2
RBAの実装の課題抽出と
システム改修
- ●金沢大・三重大の協力関係は確立済
- ●両機関でRBA/QMS大会によるピア・レビューを実施
(QMS実装RBA教育事業と連携) - ●金沢大・三重大で同一ベンダーを基盤としたシステム改修仕様書の開発
- ●名古屋大(中核病院)臨床研究ネットワークを活用した研修、課題の共有
十分な連携体制
- 成果物1
令和3年度AMED事業
RBA成果物の効果検証報告書
- 成果物2
RBAの導入を容易にする
理論審査申請システムの改修仕様書
医療分野の進展
事業趣旨・目標に合致
- 目標
全国の指針介入研究への
RBAの普及による品質向上・品質確保